ポーランド中世美術案内

ポーランドの中世美術を研究する院生のメモです。2019/10~クラクフ留学中。Twitter@entieey

ポーランド留学への獣道 その③地獄の入学手続き/翻訳

前回は出願と試験までを書きました。

一般的に考えて、受験で一番大変なのは試験ですよね。

 

2019年6〜8月:書類準備

ですが、私の場合、ここからが本当の闘いでした。

全ては「書類は受かってから準備すればいいや」という舐めた考えのせいです。(前回の記事参照)

 

私の大学は、

「留学生で書類の準備に時間がかかる場合、9月25日までに提出すればよい」

という説明書きが載っていました。これが第2のトラップ。(というか私の勘違い

 

次に、合格後のオフィスで、

「今出せるものだけメールで送って。あとは9月で大丈夫」

と言われました。(これはトラップでもなんでもなく、間違った説明でした。

 

もちろん、何も準備していかなかったわけではありません。

写真・学位と成績の証明書一式、は持って行きました。

それから、合格後に発行された入学宣誓書も持って行きました。

 

しかし、現地では全てオリジナルは受け取ってもらえず、「メールで送って」とのこと。

その時に「翻訳が間に合わないことを明記してね」と言われました。

この翻訳が大問題でした。

 

大学側から最初に指定された書類の提出締切は試験後1週間という短いもので、

試験後に準備を始めたのでは、とても翻訳は間に合わなかったのです。

というのも、翻訳は「ポーランド法務局が認定した公認翻訳者の翻訳でないとダメ」で、個人で翻訳者に依頼をしなければなりません。

ポーランドの大学の要綱には、おそらく大体「公認翻訳者、もしくは各国の大使館での翻訳のみ」と記載されていると思います。

ただし、駐日ポーランド大使館では、個人の翻訳は受け付けていませんので注意。

必ず、自身で翻訳者に依頼する必要があります。

 

「9月までで大丈夫」という話を鵜呑みにした私は、帰国して呑気に準備をしようとしていました。

そこへオフィスからメールが。

 

「今すぐディプロマの翻訳を提出してください。さもないとあなたは失格です。」

 

 

固まりました。

慌てて尋ねたところによれば、どうやらディプロマの翻訳だけは最初の締切中に提出しなければいけなかったようです。

数日だけ待ってくれるとのことで、慌てて公認翻訳者に依頼。

幸いにも受けてくれる方が見つかり、念のために2人の方にお願いして、なんとか間に合いました。

 

さらに、もう一つ大きな勘違いがあったのですが、それは、

提出するのは修士号のディプロマだけ でよい ということです。

実はこれが第1のトラップでした。

(嵌められたみたいな書き方していますが、要は私の勘違いです)

 

前回の記事にも書いたのですが、

出願の際に「入力した成績は書類で確認する」と言われ、

さらに合格後最初にオフィスに持って行った時も「ディプロマも成績証明書も全部出してね」と言われていました。

 

確かに、要綱には成績証明書の提出は書かれていません。

でも私は上記のやりとりがあったため、全て提出しなければならないと思い込んでいました。

 

つまり、必要だと思っていた大学関係の書類が、

学部の成績証明書・学部の卒業証明書・修士の成績証明書・修士の修了証明書(ディプロマ)から、

修士の修了証明書(ディプロマ)だけになったのです。

 

※出願の際はシステム上に全ての学業情報を入力したのですが、複数入力する場合どの学位情報を優先するかを選択できます。私はそのうち「修士の成績の方を優先する」としていたので、修士だけで良かったようです。これも勘違い。わかりにくすぎませんか...

 

とはいえ、必要なのがディプロマだけだと分かったので、翻訳の依頼もしやすくなりました。

「すみません特急でこの1枚だけ、1枚だけなんとか翻訳をお願いできませんか」という感じでメールを送りました。

 

このディプロマの翻訳提出を待ってもらっている間、

オンライン上では「失格」と表示されていたので、生きた心地がしませんでした。

もはや精神的には完全に死んでいました

 

ちなみに以下の手順で提出しました。

 

翻訳者から翻訳された書類がまずPDFで届く

PDFを大学にメールで提出+OKの連絡

翻訳原本が翻訳者から自宅に郵送されてくる

公印確認したディプロマの原本と共に翻訳の原本を9月までに直接オフィスに提出

 

その後、他の書類も同じ手順で提出しました。

 

ちなみに、

1、出願時に入力した成績内容は後で書類で確認する

2、すぐに出せない書類は、翻訳も含めて9月までで大丈夫

3、ディプロマの翻訳だけは最初の期日に出さなければならない

対応してくれたオフィスの方は、全て別の方です。

 

「人によって対応が違う」という洗礼を早速受けたのでした。

結果的にその後は3番目の方にずっとお世話になり、おかげで全ての手続きを完了できました。

 

トラップだなんてまるで大学が罠を仕掛けたみたいな書き方をしていますが、

そもそも私が早め早めに準備をしていたら起こらなかったミスです。

自業自得です。猛省です。沢山の人に迷惑をかけてしまいました。二度とないようにします。

 

次回は公印確認とアポスティーユ、残りの書類について書きます。