ポーランド中世美術案内

ポーランドの中世美術を研究する院生のメモです。2019/10~クラクフ留学中。Twitter@entieey

クラクフで籠城中です

某ウイルスのせいで、3/11に私の通う大学が閉鎖されました。

それを皮切りに(?)、ポーランドでも全教育機関や...他にも色々な場所が閉まりました。

外出は全くできないわけではありませんが、厳しい制限があります。

極力家にいなければなりません。

 

大学で授業は受けられませんが、オンラインで講義をしてくれたり、授業のデータを送ってくれたり、オンラインで提出できる課題を与えてくれたり、どの先生もできる限りの対応をしてくれています。

 

閉鎖中というのは休暇中ではありません。鈍ってしまうのが怖いので、家から出ないということ以外は通常通りにするよう心がけています。

いつも通りに起きて、再開に備えて授業の予習をしたり、送られてきたファイルを元に勉強したり、自分の研究したり。

ただお酒を飲む量は増えました^^ 飲まなきゃやってらんねー

研究のために留学しているので、図書館に行けないことが何よりも辛いです。

 

気が狂わないように、息抜きの時間もかなり作っています。

同じように日本からヨーロッパに留学している友人達とスカイプで近況報告をしあったり、趣味の本を読んだり、動画を見たり。

することもやりたいことも山の方にあるので、時間はいくらあっても足りないくらいですが、この先どうなっていくのか分からないのは大きなストレスです。

 

ちなみに、一時帰国は最初からほとんど選択肢にはありませんでした。

感染者数、人口密度、政府の対応、帰国ルート、帰国後の日本での生活を考えた上で、ポーランドから動かない方が安全度が高いと判断したからです。

 

この先も感染に気をつけつつ、落ち着いて籠城生活を送りたいと思います。

溜まっている記事をアップしたり、クラクフに来てから入手した本の紹介などをしていこうと思います。

 

 

 

 

ポーランド滞在許可証2019/2020

このたび、無事に滞在許可証をゲットしたので申請についてまとめます。

 

前提:

申請日 2019年10月26日

取得日 2020年2月21日(発行日は1月6日扱い)

場所 クラクフマウォポルスカ県)

種類 学生としての一時滞在許可証

 

公式ウェブサイト(学生用滞在許可証に関するページ)

https://www.malopolska.uw.gov.pl/default.aspx?page=wydawanie_zezwolen_na_pobyt_czasowy_na_studiach_stacjonarnych

 

申請準備

まず申請日の予約をとります。

日時は基本的に指定できないので、「え、思ったより早い!書類間に合わないよ~」なんてことがないように、この段階で書類を準備しておくのがベターです。

私は10月15日にメールを送って、11月5日になりました。

*上記の申請日と異なっている理由は後述します。

 

予約用のメールアドレスは

rezerwacja.opt@malopolska.uw.gov.pl

です。 

*参照:https://www.malopolska.uw.gov.pl/default.aspx?page=rezerwacja

 

申請場所は、

Wydział Spraw Obywatelskich i Cudzoziemców Małopolskiego Urzędu Wojewódzkiego w Krakowie(Oddział Legalizacji Pobytu Cudzoziemców)

住所:ul. Przy Rondzie 6, parter (sala obsługi cudzoziemców)

です。

 

 

提出書類

私が提出した書類です。

 

最低限必要なもの(nr. 0~4)

0.申請書

ここから始まる滞在許可証。

上記のページのFORMULARZE DO POBRANIAからDLできます。

移民局でも貰えるみたいです。

 

1.パスポートのコピー

顔写真のページ、スタンプや何か記載のあるページを全てコピーして提出します。

もちろんパスポート本体も確認のために必要なので、忘れずに持って行ってください。

 

2.顔写真4枚

色々細かい規定があるので、新しく用意した方が無難です。

・35 x 45 mm

・6か月以内に撮影したもの

・肩から上、顔が全体の70-80% などなど

写真屋さんで「滞在許可証用です」と言って撮ってもらいましょう。

私はTeatr Bagateraの脇にある写真屋さんにお願いしました。値段は忘れました。

 

3.申請費用の支払い証明書

申請する前に移民局の窓口で支払っておき、その控えを提出します。

申請費用は340złです。

 

4.滞在資金の証明(銀行の残高証明書や、奨学金受給証明書など)

私は迷ったので残高証明書と奨学金証明書の両方を提出しましたが、基準額を満たす証明書が一つあれば大丈夫だと思います。

残高証明書は、ポーランドの銀行で発行してもらいました。

適当に見積もって大体15,000złくらいを入れた状態だったと思います。

(*金額の目安は上記ページに書かれています。説明項目が多いのでここでは割愛します。)

奨学金の証明は日本語だったので、公認翻訳士の方に依頼してポーランド語に翻訳してもらったものを提出しました。

 

任意で必要なもの(nr. 5~8)

ウェブにて「以下の書類があると申請がスムーズに進みますよ」とまるで任意であるかのように紹介されている書類たち。

実質ほぼ全て必須です。

 

5.大学の在学証明証(原本)

原本提出です。

 

6.授業料の支払い証明書(コピー/要原本確認

授業料を支払うプログラムに在籍している場合、必要です。

原本提出です。すみません間違いです原本確認でコピー提出です。

私は申請時に1ゼメスター分しか支払っていませんでしたが、その証明書で大丈夫でした。

授業料は大体ゼメスターごとの支払いなので、問題ないと思います。

 

7.保険の証明書と翻訳(コピー/要原本確認)

申請時に証明書の原本と翻訳の原本を確認してもらい、それぞれコピーを提出しました。

学研災付帯海学の証明書は原本もサインが印刷だったので、少し揉めました。

「印刷だけど原本なんですうううううう」と粘りに粘って納得してもらいました。

入学手続き時に用意した公認翻訳を再利用しました。

勿論、ポーランドの保険に加入している方はその証明で大丈夫です。

 

8.出生証明書(任意)

これは必要書類には書いてないのですが、あった方が安心だと思います。

日本のパスポートには出生地ではなく本籍地が記載されているので...

出生地と本籍地が一致している人は問題ないかもしれません。

私は出生地と本籍地が違うので、念のため出生証明書も準備しました。

 

出生証明書は、ワルシャワポーランド日本大使館で発行してもらえます。

日時の予約は必要無いのですが、一応電話で事前に「出生証明書を発行したいのですが」と時間等を確認してください。

必要なものはパスポートと戸籍謄本の原本です。日本から準備していくか、送ってもらいましょう。

手数料の支払いは現金のみです。

電話した時に金額を確認して、お釣りが出ないように準備していった方が良いです。

私はピッタリ用意しなかったので、職員の方を少し困らせてしまいました。

早ければ1時間弱でその場で発行してもらえます。

何度も行く必要が無いのでありがたいです。

 

申請当日

これについては、私はちょっとイレギュラーなことをしてしまったので、参考にならないかもしれません。

 

11月5日の予約をゲットしてから数日後、友人からメッセージを受け取りました。

「通常開いていない土曜日に、学生のための滞在許可証の申請説明会があるみたいだよ」

「わ~何それありがたい!色々質問してこよう^^」と喜んで説明会に向かいました。

それが10月24日です。 

 

が、しかし。

この日は予約が必要な申請会だったのです。

盛大に勘違いをした私は、朝イチに丸腰で乗り込みました。

「こんにちは。よろしくお願いします。」

「こんにちは。何時に予約していますか?」

「えっ予約!?すみません、予約してません(説明会も予約が必要だったのか)」

「えっ。ま、まあいいわ、書類を見せてください。」

「今これだけ準備できてて...」

「ここ抜けてる、書いて」「支払いは?」「ここも書いて」

「・・・もしかしてこれは申請本番ですか?」

という感じで、つまり勝手に勘違いした挙句、予約なしで割込み申請をしてしまいました。大変な迷惑野郎です。

 結局あれよあれよという間に大体の申請が終わりました。

 

*通常の申請

通常の予約で申請する場合は、予約した人用のブースで申請をするそうです。とにかく移民局の申請部屋(?)は大勢の人でごった返していますが、予約していれば、驚愕するほどの超大な待ち時間は無いはずです。それでも多少は待つと思いますが...アポ無しは超待たされます!

 

パスポートにハンコをもらおう

私は説明会のつもりで行ったので、準備できていない書類がありました。

その不足書類を10月26日に提出して、晴れて申請完了です。

書類を全て出したら、パスポートに「滞在許可証を申請中です」の赤いハンコを押してもらえます。

このハンコがあれば、滞在許可証が発行される前でも、例えばどこかに旅行に行って、ポーランドにまた入国できます。

ただポーランド語なので、90日以上経ってしまった後に他のシェンゲン国を経由してポーランドに戻る場合は微妙だと思います。未経験なので、これに関しては何とも言えません。

 

ちなみに、不足書類は移民局に入って右側の部屋で提出しました。

申請や、発行決定の確認、カードの受け取りなど、基本は入って左奥の広い部屋です。

 

移民局の人はそんなに怖くないです

よく「ポーランドの役所の窓口の人は冷たい」とか「英語を話さない」とか聞きますが、少なくとも今のクラクフはそこまでではありません。

もちろん人にもよりますが、基本的に至って普通の対応だし、ポーランド語を話さない人には英語で対応しています。

英語を話さない係の人もいると思いますが、それは日本だって同じだと思います。

人が多い時には「何か困っている人はいますか?」とスタッフの人が聞いて回っていました。

留学生や移住者が増えて、少しずつ変わってきているのではないでしょうか。

少なくとも、ビビる必要はないです!

 

ただ、クラクフポーランドの中でもとりわけ大きい街で、外国人も多いからかなあとは思います。

 

移民局からの連絡手段

SMSです。他県は分かりませんが、マウォポルスカはSMSです。

ただ、不足書類があった場合などは郵送で通知が来ることもあるらしいです。

友人は追加書類に関する郵便を受け取ったと言っていました。

 

発行可否の連絡とカード代の支払い

「発行許可出たから確認に来てね~」というSMSが届いたら、また移民局に行きます。

Cの番号札を取って、順番を待っている間にカードの代金50złを支払っておきましょう。

順番が来たら、パスポートと支払いの証明書を渡して、チョコチョコっとサインして、「発行の決定通知書」を渡されておしまいです。

この時カードはまだ貰えません。また1か月くらい待ちます。焦らします。

 

私は、発行の連絡が1月23日に来ました。これは想定外の速さです。

一応公式では「申請から発行可否を伝えるまで2か月」としていますが、これは強めの幻覚、夢見る希望、儚い願いです。

ポーランドの滞在許可証は発行までにエライ時間がかかる」というのが通説です。

クラクフは比較的早い方らしいのですが、私の友人は10か月以上かかったそうです。

 

なので、3ヵ月で発行されて、逆に慌てました。こんな予定じゃなかった...!

というのは、滞在許可証は一回の効力が最大15か月なんですね。

少なくとも申請後半年はかかるだろうなと思っていたのです。

でも1月に発行されたので、私の滞在許可は2021年4月まで。計画ミス...

2年しか居ないのに、卒業前に期限が来てしまうため、再申請不可避。

 

しかも今の学生ビザと期間が半年以上被ってる。勿体なさすぎる!!

 

冷静に、冷静に考えて、日本で学生ビザを再申請する方が良かったのかな...って

勿論帰る予定が無い場合は滞在許可証一択なわけですが、私は夏にバリバリ一時帰国予定です。物資を補給するためです。

学生ビザは、現在のビザが切れるところからの期間で発行してもらえるし、タダだし...

 

なんて、早く発行されたことは本来喜ぶべきことですよね。ありがたいことです。

文句ばかり言っちゃだめです。性格が捻くれていて恥ずかしいです。

実際、某ウイルスのせいで一時帰国が危うくなってきたので、滞在許可申請しといて良かったとは思います。

心配性パーソンは「備えあれば憂いないし」ということわざが大好きなんです!

 

カードができた!

SMSで「カードできたよ~」とメッセージが来たら、またまた移民局に行きましょう。

私は結局2月21日に連絡をもらったので、申請から約4か月で滞在許可証をゲットしたことになります。

今度はEの番号札とって、呼ばれたらパスポートを渡して、指紋のチェックと受け取りのサインをしたらおしまいです。

やったね~これでパスポートも持ち歩かなくて良くなるね!

 

とウキウキで帰ってきたんですが。

 

まさかのスペルミス発見。

 

カード裏面の出生地・千葉県が、CHIBA-KEWになっていました。

チバケフってどこだよ...

申請書は穴が開くほど確認したし、なんなら出生証明書も提出したのに...!

とりあえず今は見なかったことにします。

 

おつかれさまでした!

 

 

 

 

 

 

 

 

寮生活、完

タイトルの通りです。引っ越しました。

前の記事で「よっぽどのことが無ければ大丈夫です~」なんて言っていましたが。

よっぽどのことがあったのでアッサリ引っ越しました。

 

寮を退去した理由

決定打になることが起きたというよりは、小さなストレスが積もって爆発した感じです。

寮そのものに不満があったわけではありません。

原因は主に2つです。

 

1.ルームメイトのライフスタイル(?)に合わなかった

スピーカーで音を流す、洗い物を洗面所に放置する、トイペなくなったらそのまま、絶対ゴミ袋替えないとか、夜中に友達を連れてきちゃう、とか、いろいろ、小さなことが積み重なって、

テスト期間中「あ、これなんかもうだめだな」となりました。

 

2.そもそも私自身が共同生活に向いていなかった

結局、細かいことを気にしてしまう自分の性格が、共同生活に不向きすぎました。

不満をきちんと伝えることのできないナヨっちい性格も最悪です。

 

このまま我慢して住み続けても、圧倒的にデメリットが大きすぎる。

そんなわけで、引っ越しを決めました。

 

引っ越しのあれこれ

新居はFacebookのグループで探しました。

ポーランドでの家探しはGumtreeやOlexが有名だと思いますが、あまりに選択肢が多いと決まらないと思ったので、Fecebookオンリーで探しました。

Mieszkania / pokoje + miasto で検索かけるとその街の物件情報を提供するグループが出てくるので、そこに入れてもらって、ひたすら条件に合う物件を追跡します。

 

私は、

・研究所まで徒歩なら片道30分程度、トラム/バスなら乗り換え無しで15分程度の距離内

・シェアフラット

・家賃は光熱費やネット代含めて1200zlまで

・最低限の家具付き

・内装が明るい

以上の条件で3件まで候補を絞り、最初に内見した部屋に即決しました。

 

今の部屋に決めた理由は、

・研究所までトラムで10分

・建物は古いけど内装はかなり新しい

・6人シェアだけどシャワーとトイレが2つずつある

・掃除やゴミ出しの管理がちゃんとしてる

・全部コミコミ家賃950zl

・大家さんがすごく感じがいい

です。

 

同じ共同生活でも、一人部屋で過ごせるのとそうでないのとでは雲泥の差があります。

集中して作業できるし、ゆっくり寝られるし、本当に引っ越してよかったです。

 

それぞれ向き不向きがあります

最後に強調しておきますが、決して寮生活自体は悪くありません

前の記事で書きましたが、メリットもかなりあります。

寮生活を最高にエンジョイしている友人の話もよく聞きます。

ただ私が向いてなかっただけです^^

ワイワイ過ごしたい人は是非チャレンジしてみてください。

 

 

 

 

 

ヤギェウォ大学 2019/2020年度 冬学期授業レビュー

怒涛の更新です。なぜなら今はゼメスター間休暇だからです。

やっと一区切りのついた冬学期の授業について書きます。

ポーランドの大学院は本当に大変です。

日本の修士の時は、授業的にはかなり楽をしていたので、ギャップで死にました。

 

所属:ヤギェウォ大学 歴史学部 美術史専攻 修士課程1年目

言語:ポーランド

 

月曜 09:00~10:30 美術史の理論・演習(必修)

概要

同日夕方の講義とペアの演習。大体週半ばまでに課題文献がメールで送られてきて、キーポイントをまとめて、日曜までに先生に送る、のが準備。授業ではそれを踏まえてディスカッションします。

この課題文献は基本複数で、しかもそれぞれ分量が多すぎて、全部まとめられないことがほとんどでした。それでも毎週必ず1つは予習を提出するようにしていました。

テスト

授業内容から14問+初見テキストを読んで何の理論を反映しているかを説明させる1問の15問でした。全部記述、時間は約90分。

ちなみに今回の初見は新プラトン主義に関するテキストでした。

再試で口頭試問を受けて合格しました^^

 

月曜 13:30~15:00 講義・戦後建築(選択必修)

概要

戦後の建築を牽引した世界中の建築家とその作品を大量に紹介!という感じでした。面白かったです。面白すぎて、今ベルリンに建築を見に行こうと画策しています。

先生に頼まれて、日本の戦後建築について短いプレゼンをしました。メタボリズムとか、調べるのはとても楽しかったです。

テスト

授業で扱った中から5作品が出題されて、建築家と建物名を答える小テスト。10分くらい。一発クリア。

 

月曜 17:00~19:15 美術史の理論・講義(必修)

概要

プラトンから現代まで、各時代で「美」がどのように考えられてきたか、という講義。2時間超の授業中、兎にも角にも板書、板書、板書!スライドがあるだけ優しいと言うべきか。毎回ノート12ページくらいの分量。月曜の夜は右手に力が入らない。もう忘れたい。

テスト

先生の部屋で口頭試問。15枚くらいのカードが裏返しに置いてあって、一つ選んでめくって、そこに書いてあるテキストを読んで、誰の何の本か当てたうえで内容に関して質問。無理です。私はアンドレア・パッラーディオの建築論を引いたんですけど、ポー語ができなすぎてボコボコに怒られ、その場で再試、次はダ・ヴィンチクールベの理論についての質問。

なんとか合格したけど、もう忘れたい。

 

火曜 08:15~09:45 講義・戦間期リヴィウの建築(選択必修)

概要

大戦間のウクライナリヴィウの美術を扱った講義。主に建築。たまに墓地。

住居や役場などの公共建築がメインで、特徴的な装飾などについて勉強しました。

元々ウクライナに関心があったので履修したけど、見事に沼にはまり、11月にリヴィウに行きました。

テスト

10問記述。90分。再試^^

 

火曜 13:30~15:00 メインゼミ・中世ゼミ(必修)

概要

指導教官のゼミ。毎週まず先生が新刊紹介をして、博士院生が研究発表したり、修士2年が中間発表したり。たまに皆で展覧会見に行ったり、修復作業見せてもらったり。大分フリープラン。

課題

今学期は自分で選んだ文献の書評。提出ではなく、ゼミ内で読み上げる形式。私は15世紀のクラクフの聖母子像に関する文献を扱いました。

 

火曜 15:15~16:45 講義・デューラーの時代の芸術(選択必修)

概要

タイトルのまんまです。デューラーと仲間たち。担当の先生の専門がポートレートということもあってか、肖像画に重点が置かれていた気がします。

何故か毎回絶対15分前に開始してた。なんで。

テスト

「短いテストだから~」なんて言ってましたけど、確かに短かった、時間だけは。スライド見ながらミッチリ10問記述。多分15分弱で回収された。無言で次のスライドに移るため、1問目を書いて頭を上げたらそこに映っていたのは3問目。ん?2番どこいった?元気に再試^^

 

水曜 08:00~09:30 講義・15世紀イタリア彫刻(選択必修)

概要

ギベルティとブルネレスキの伝説の一戦から始まる花のイタリア彫刻史。恥ずかしながら知らなかった彫刻家も結構いて、勉強なりました...

テスト

「3分で終わるよ~」と言っていて「(いやいやそれはさすがにないだろ)」と思っていたら本当に3分で回収された。究極の選択3問。さすがに一発クリア。

 

水曜 11:30~13:00 英語B2+(必修)

概要

歴史学部のM1合同の英語。5つくらいグループがあり、時間や先生で選ぶことができます。

私が選んだグループのメンバーは私以外全員史学専攻。

ちなみに、英語C1を持っていれば履修不要です。私の同期はほとんど持っているようで、というか、多分英語受けてるの私だけw 

英語ができなくてひどい

テスト

普通の英語のテスト。リスニング、読解、単語、ライティング。普通に再試。

 

水曜 13:30~15:00 講義・18世紀のリヴィウ美術(選択必修)

概要

バロックロココリヴィウを堪能したい人にピッタリの授業。ウクライナ美術で多分一番有名な彫刻家ヨハン・ゲオルク・ピンゼルの大ファンな私は勿論履修。

教会建築と付随装飾についてミッチリ叩き込まれ、スッカリ脳みそはウクライナになった。一瞬専攻を変えたくなった。

テスト

5問記述。「今から最後の講義するから、その間に解いてね」という新しいスタイルのテスト。皆、ノートを見ながら解答。いいのかそれで。いいんだね。オッケー私もノート見ます。一発クリア。

 

水曜 17:45~19:15 サブゼミ・近代ゼミ(必修)

概要

サブゼミは、メインゼミとは違う時代区分のゼミを選択する必要があります。

私は「16世紀ポーランド建築におけるイタリア建築理論の影響」が与えられたテーマです。特にセバスティアーノ・セルリオとポルタール装飾について。

普段の授業は、基本的に先生がフリートークするのを4人の生徒で聞いているという、中々辛いものです。視覚的リソースゼロのポーランド語の雨、えぐい。

テスト

研究の中間発表+原稿提出。

 

金曜 14:00~15:30 講義・美術史のための文化人類学(必修)

概要

「美術史のための」とタイトルについてたけど、一般的な文化人類学、だったと思います。フィールドワークで先生がアフリカに行っちゃったりして、全回数中半分が休講でした。授業料返せ~~~

でもとても親切な先生で、授業自体は面白かったです。なんやかんや理由つけて日本の話題を振ってくれたりして。まあカミカゼの話題とか出されても苦い顔しかできないんですが。

テスト

授業の内容からではなく、あらかじめ指示されていた文献3つに関する選択問題10問+自由記述。約60分。一発クリア。

 

 

上記に加えて、火木の夜に語学学校を入れていたので、週13コマでした。

 

 

選択必修の講義は、1年間を通して8コマ履修する必要があります。

それも好きなものを選べるわけではなく、グループA~Fまでに分類された講義の中から、「Aからは2つ、Bからは1つ」などというように指定されています。

 

ちなみに、信じがたいことに、シラバスによれば、なんと最終ゼメスターが一番授業数が多いです。修論を出す学期です。頭おかしい。

まだまだ挫折する可能性は残されています。乞うご期待。

留学に持ってきて良かったもの

留学に持ってきて良かったと思うものをだらだら書きます。

というか「これが無いと困るから日本から持ってきました」というものです。

 

1.iPad

第6世代のiPadです。アップル整備済品を買いました。ペン込みで5万くらいでした。

10インチ?かな?大きさも、大きすぎず小さすぎず、丁度いいです。

論文読んだり書き込んだりするのにも、動画見るのにも、電子書籍を読むのにも、ジャンプを読むのにも、本当に便利です。

文献のスキャンもiPadAdobe scanアプリで済ませています。

 

ノートパソコンは重いので基本自宅待機にして、外出時はiPadを携帯しています。

Bluetoothキーボードも買いましたが、これはあんまり使ってません...

入力するようなものは自宅で作業、という風に完全に分けています。

 

2.化粧品類

私は「酒さ(しゅさ)」という慢性皮膚疾患があり、刺激物がNGなので肌につけるものには少し気を付けています。

今すごく酷い状態というわけではありませんが、お医者さんに「根本治療法はないから緩和ケアが大事だよ。ほっとくとボコボコになるよ」と言われて見せられた悪化ver.の症例写真が辛すぎて、そうならないように頑張っています。

カフェインや辛い物も避けた方がいいんですが、コーヒーも紅茶も担々麺も好きなのでたまに摂取します。

 

なので、基礎化粧品も敏感肌用、顔をつくる方の化粧品もすべて石鹸で落とせるものを愛用しています。

探せばポーランドにもあるかもしれないんですが、初めて使うもので荒れたらどうしよう?という不安を抱えるよりは持ってきた方がいいなと思って全員連れてきました。

また、ドイツに調査に行ったときにLaveraを試してみましたが、においがキツくて私には難しかったです。

 

そもそも本当はそんな化粧するつもりなかったんですが、研究所のみんなが大体バッチリキメキメなので、最低限武装するために一応しています。

あと化粧すると外に出ようという気分になるので、自分が活発な人間になったと錯覚できます。

 

3.クリアファイル

100均で買ったクリアファイルです。こっちでは見かけないので重宝しています。

紙をそのままカバンに入れたくないタイプなので、無いと困ります。

奨学金の報告書を定期的に日本に送る必要があるので、郵送時にもクリアファイルがあると紙が曲がらなくて助かります。

 

4.青ボールペン、ラインマーカー

筆記用具は沢山売っていますが、やっぱり書き心地は日本のものが一番なので、一時帰国した際に大量に買ってきました。

とにかく大量のノートをとるので、いかに引っかからずサラサラ書けるかが重要です。

ラインマーカーは、ノック式のものが好きなのでそれを何本か持ってきました。ゴチャゴチャしたくないので黄色だけ。

 

5.おやすみマスク

正式な商品名は忘れてしまいましたが、コットンの就寝用マスクです。

洗って繰り返し使えます。

乾燥対策に大活躍です。これをしないで寝ると翌朝喉がガピガピになります。

 

6.日本語の文法書

ポーランド語、ドイツ語の文法書を持ってきました。

なるべくポーランド語はポーランド語の説明を見るようにしたい...ところですが、時間がかかりすぎて非効率なので、そういう時は日本語で参照できるのもがあるとやっぱりいいですね。

辞書は、ポーランド語はポ英辞書、ポポ辞書、オンライン日ポ辞書を使っています。

ドイツ語と英語は物書堂さんのアプリ辞書を使っています。

 

7.ホットアイマス

3coinsで買った300円のホットアイマスクです。レンチンするタイプなので繰り返し使えます。

眼精疲労がすごいので大体毎晩寝るときに使っています。

翌朝だいぶラクです。

 

8.日本食

こんなにポーランドが好きだと言っているくせに、私はポーランドの料理や味付けが結構苦手です。

キノコだめ、酸っぱいものダメ、香草ダメ、ソバの実とかもダメ、ニンジン嫌い、というか元々好き嫌いが激しいので、どうしようもないです。ポーランドじゃなくても多分同じです。

乾燥スープとか味噌汁とか、鍋の素とか、カレールーとか、大量に持ってきました。

 

9.ホットコット

ベルメゾンの発熱インナーシリーズです。コットン混で痒くなりにくいです。

ユニクロヒートテックは暖かいのですが、化繊でかゆかゆになってしまうので。

インナーもですが、ホットコットはタイツが最高に良いです。暖かいし、ダマダマになりにくいです。

防寒グッズ色々持ってきましたが、今冬のクラクフはそんなに寒くなくて、ブクブクに着こんだりしなくても全然大丈夫です。温暖化を実感します。

 

10.目薬

こっちではドラッグストアで目薬売ってないので。大体毎日使うので何個か持ってきました。

 

11.菜箸

大体カレーのジャガイモに火が通ったかを確認するためにブっ刺して使います。

 

12.レンチンご飯炊きマシン

「ちびくろちゃん」という商品です。大変お世話になっています。

お鍋でご飯炊くスキルは持ち合わせていません。

 

13.シリコンスチーマー

生野菜があんまり好きじゃないので、レタスすらチンして食べています。

 

14.S字フック

100均で1パック買ってきました。めちゃくちゃ便利です。

なんでも吊り下げています。

 

番外編 まったく要らなかったもの

日本の延長コード。一時帰国で持って帰りました。

世界各地を渡り歩くなら別ですが、一定期間滞在するならその国の延長コードを現地で買ってください。

 

また何か思い出したら追加します。

 

 

 

 

 

 

 

 

ポーランドの美術館①ワルシャワ国立美術館・中世ギャラリー

前回の記事から4か月も空いてしまいました。

大学の授業が辛すぎて生きるので精一杯でした。ワールドトリガーにハマりました。

 

さてこのシリーズでは、ポーランドの美術館と、そこで見られる中世美術作品をご紹介します。

初回はワルシャワ国立美術館です!

 

ワルシャワ国立美術館 Muzeum Narodowe w Warszawie

ワルシャワ中央駅からトラム、バス、徒歩で行けます。

中央駅から歩くと15分くらいです。

ワルシャワ観光の目玉である旧市街から少し離れているせいか、いつ行っても比較的空いています。ゆっくり見られるので、是非訪ねてみてください。

 

まったく気が利かない人間なので、手元に美術館外観の写真がありませんでした。

公式ウェブサイトはこちら→ http://www.mnw.art.pl/

 

巨大な中世ギャラリー

中世ギャラリーは、入館してすぐの右手にあります。1階です。

展示スペースも広いのですが、展示されている作品も大型のものが多いです。

特に《グルジョンツ祭壇》は圧巻です!

 

 

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《グルジョンツ祭壇》(Poliptyk Grdziądzki)

制作:1390年頃

制作地:ポモージェ地方東部

素材:テンペラ、モミの木

サイズ:中央パネル 284 x 234cm、翼部パネル 284 x 116cm

所蔵:ワルシャワ国立美術館(1964年~)

*参照 Galeria Sztuki Średniowiecznej: Przewodnik, Warsazwa 2017

 

グルジョンツ (Grudziądz) は、ポーランド北部のクヤヴィ・ポモージェ県に属する街で、ヴィスワ川のほとりにあります。

この街のドイツ騎士団プロイセン)のお城にあった礼拝堂の主祭壇画だったとされています。

ドイツ騎士団のお城といえばマルボルク (Malbork) が有名ですが、あちらには沢山の彫刻が残されています。また別記事で紹介します。

 

祭日面(または祝日面。祝祭日に両翼が開かれて現れる面のこと)には、マリアに関する場面が描かれます。

平日面(閉じられた状態。祝祭日以外に見ることができる面)には、キリストの受難の場面が描かれます。

祭日面中央の「マリアのお眠り」と「戴冠」も素晴らしいのですが、研究では、平日面の「ゲッセマネの祈り」が比較的よく言及されるような気がします。

一番外側のパネルは壁にほぼ貼り付いていてほぼ見られませんが、「悲しみの聖母とキリスト」「マリアと洗礼者聖ヨハネ」「最後の審判のキリスト」とあと一点(未確認)が描かれているようです。

これだけ大きいと全方向展示は難しいですね。

 

この祭壇画の制作には、二人の中心的な画家が携わったとされています。

同時代のチェコ絵画の様式が反映されており、おそらくこの画家たちもプラハで修業を積んだものと考えられています。

特に、プラハで活躍した通称トジェボニ(Trzeboń)祭壇の画家の影響が指摘されています。

*《トジェボニ祭壇》はプラハ国立美術館に展示されています。こちらも素晴らしい作品です!

 

17世紀に一度バラバラにされて、1912~16年の修復で元のポリプティックに統合されたそうです。

  

中世以外もボリュームたっぷりのワルシャワ国立美術館

勿論見所は中世だけではありません。近代美術も充実しています。

ポーランド近代絵画の父」と称されるヤン・マテイコの作品を集めた展示室もあります。

 

去年開催されていた企画展「ユゼフ・ブラント展 (Józef Brandt 1841-1915) (2018. 06. 22〜09. 30) 」も素晴らしかったです。

公式ウェブサイトの展覧会に関するページを貼っておきます。

https://www.mnw.art.pl/wystawy/jozef-brandt-18411915,215.html

ブラントは、コサックを描き続けた19世紀半〜20世紀初頭の画家。

恥ずかしながらそれまでほとんど知らなかったのですが、民族の生活そのものから切り取られたような作品に圧倒されました。

習作に描かれた人物スケッチや衣装の細かな素描が特に印象に残っています。

彼についてもいずれ書きたいのですが、カタログが激重3巻本だったので未だ買えず。留学中に入手したいですね。

 

今回は、超目玉!な《グルジョンツ祭壇》を取り上げました。

ワルシャワ国立美術館の作品は沢山あるので、またご紹介します。

特に、彫刻がたくさんあるので...本記事で一点触れようと思いましたが、力尽きました。

次回はクラクフ国立美術館について書きたいと思います。

 

 

 

ポーランドの学生寮は実際どうなの?

閑話休題ということで、ポーランド学生寮についてレポートします!

 

...と思って準備していたこの記事なんですが、

あまりの授業の多さにパニくっているうちに1ヶ月が過ぎてしまい、とりあえずあげられそうな下書き...とこれを先にアップすることにしました。

 

次こそは美術記事です。次こそは。

 

寮を選択した理由

私は学生寮に住んでいます。クラクフにあるいくつかの大きな寮のうちの1つです。近辺いくつかの大学の学生が入居しています。

 

ポーランド学生寮はやめとけ」という話をよく聞くので、寮ではなくルームシェアやアパートを借りるか、かなり迷いました。

結局、

・家賃が安い(光熱費込みで1ヶ月420zł)

・周りに学生が居た方が何かと助けを求められるのではないか

なんか安心

 

という理由で寮に住むことを決めました。契約は1年ごとなので、来年度は出るかもしれません。

 

入居方法

私はオンラインで申し込みをしました。いくつかある寮に希望する順位をつける形でしたが、今住んでいるところを何番目にしたか覚えていません。

9月末から入居できます。入居登録期間初日、語学学校を終えて昼頃に行ったら死ぬほど人が並んでて引きました。かなり待つというのは聞いていたのですが、最終的に部屋に入れたのはそれから5時間後でした。

 

 

部屋はどんな感じ?

2人部屋です。大体みんなそうだと思います。部屋の中にシャワーとトイレがあります。

入居当日の私のスペースです。この他にクローゼットや棚、机があります。

 

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寮の部屋(反対側に同じようなものがもう1セットあります)

 

半月住んでみて実感したメリットとデメリットはこんな感じ↓です。

 

メリット

一番は、①同居人がポーランド人なので、日常的なやりとりが会話の練習になることです。

これは私がポーランド語を勉強していて、同居人がポーランド人であることによって成立しているメリットなので、誰にでも該当するとは言えません。

私の入居時に、「ポーランド語を勉強しているなら、同居人はポーランド人の方がいいかな?」と聞かれたので、是非!とお願いしました。

 

 

それから、②光熱費等を自分で管理しなくていいのも助かります。

これはもしかしたらルームシェアとかでもそうなのかもしれません。

寮は有線インターネットなのですが、無線ルーターを買ってきて接続すればWi-Fiが使えるようになります。

 

➂荷物や手紙の受け取り

これが地味に一番ありがたいメリットかもしれません。寮は24時間受付に人が居てくれるので、郵便物を受け取れないということはまずありません。

 

デメリット

2人部屋だから気を使うとか、狭いとか、色々ありますが…

個人的に一番キツいのは、➀冷蔵庫とレンジが無いことです。レンジは覚悟していましたが、冷蔵庫は驚きでした。(結局両方とも買いました。)

部屋にはなくても、共用のキッチンにはあると思っていたんです。甘かったです。

ちなみに、寮によっては、冷蔵庫をレセプションで借りられるそうです(有料)。

 

それから、➁同居人が寝ているときは部屋で作業がしにくいです。

電気をつけるのが憚られます。テスト前やレポートの時期は図書館やカフェで遅くまで作業して帰ったりすることになるのかな。

 

でも大体許容範囲内です。多分発狂するほど不便なことはないと思います。発狂するほど不便なことがあったので引っ越しました。別記事をご覧ください。(22.02.202追記)

何なら想像の百倍は部屋が綺麗で、収納スペースも結構ありました。

今後とんでもない不便が無ければありました2年目も寮生活を検討しています検討の余地はありませんでした住所が変わるのも面倒ですし変わりました

2人分の家賃を払えば、部屋さえ空いていれば1人で住むこともできるという話も聞いたのでできないそうです修論のある2年目はそれもいいかなと思いますよくないです

あとホントなんか安心なんですよね、寮の空間。

 

寮生活はこれが初体験なので、楽しく生活したいと思います!残念です